史跡船来山古墳群を守り伝えるためのアクションプラン「整備基本計画」を策定しました。
策定にあたっては船来山古墳群整備検討委員会を開催し、内容について指導助言をいただいて検討しました。また、こども学芸員、保護者の会、船来山古墳群ボランティア、興味関心のある市民とワークショップを開催し、策定しました。
史跡船来山古墳群整備基本計画(概要版)
整備基本計画
史跡船来山古墳群を守り伝えるためのルールブック、今後の保存活用、整備の方針を定めた保存活用計画を策定しました。
策定にあたっては船来山古墳群保存活用検討委員会を開催し、内容について指導助言をいただいて検討したほか、こども学芸員、船来山古墳群ボランティア、興味関心のある市民とワークショップを開催し、策定しました。
(1)本質的価値を構成する要素
(1)墳丘、埋葬施設、周溝といった古墳を構成する要素(2)出土品、および埋蔵される遺物(3)古墳が立地する地形
(2)本質的価値以外の要素
(1)史跡への理解を深めるための要素(名古屋城石垣普請の石切場、席田の砦等)(2)史跡の保護・活用に有効な要素(案内板、解説板、園路等)(3)史跡の保護と調整が必要な要素(高圧電線、竹林、笹など)
(3)指定地の周辺環境を構成する要素
(1)未指定地の古墳群(追加指定予定地、124基以上)(2)周知の埋蔵文化財包蔵地(弥勒寺遺跡、上保本郷遺跡等)
(3)歴史遺産(弥勒寺、白山神社、席田用水等)(4)眺望、里山としての自然環境等
・史跡指定地内で行う必然性があること
・史跡の価値に影響を及ぼさないこと
・史跡環境の保全に配慮されていること
・地形の変更および行為の規模が最小限であること
・当該地の歴史的経緯や発掘調査等各種調査成果を十分ふまえるもの
「本巣市でしかできない体験・発見・驚き・喜び」を
【方向性】
・古墳や植生の状態を把握したうえで、保存のための適切な整備方法を検討する
・周辺地域の安全確保を踏まえた古墳への土砂災害等を検討する
・活用方法に応じた施設等の整備のあり方を検討する
〈古墳の整備方法〉
(1)墳丘や石室を復元し展示する
(2)石室の石材を保存処理の上、現状を公開展示する
(3)公開展示に耐えられないと判断される遺構については、埋め戻して保存する
〈遊歩道の整備〉
(1)各古墳相互の見学ルートの整備(ウッドチップの遊歩道や階段の手すり整備)
(2)四阿(あずまや)、ベンチ、遊歩道の設置(眺望ポイントに設置)
(3)ガイダンス的な説明板を要所に設置(公開する古墳の表示板や説明板)
(4)公開古墳の維持管理用道路の確保等
(5)災害時の誘導サインや安全管理設備の設置
(6)学校教育等の団体利用が出来るような広場や駐車場、トイレの確保
保存活用計画概要版
保存活用計画書
「船来山古墳群(本巣市)」は、平成30年11月16日(金)に開催された国の文化審議会(会長 佐藤信)において、国指定史跡に指定する答申を受けました。
東海地方最大級の古墳群
船来山古墳群(本巣市上保字船来山1213番6 他315筆)
面積 155,420.74m2(船来山中央部、船来山全体の約4分の1)
古墳 111基(弥生時代の方形周溝墓を含めると112基)
今回答申された史跡の範囲には、111基の古墳を確認しています。
この中には赤彩古墳3基が含まれており、雁木玉やトンボ玉などの珍しいガラス玉が出土しています。
3世紀から7世紀までの間、連綿と古墳を造り続けられたことが大きな特徴です。
独立丘陵に築かれた古墳としては東海地方最大級の古墳群です。
本巣市になってから15年。本巣市合併前の開発にかかる発掘調査から数えると、今回の答申までに約30年の年月がかかりました。
その間ずっと守り続けてくださった地権者の方々、長年にわたり草刈りや石室の保護活動など、船来山古墳群を愛して活動いただけるボランティアの皆様、船来山古墳群に関わる全ての方々のおかげです。
船来山古墳群について、今後の保存活用の基本方針やコンセプトを明確にするため、船来山古墳群基本構想を策定しました。
策定にあたっては、全体報告会を含め4回ワークショップを開催し、市民の意見を反映しました。保存や活用の重要性についての普及啓発を行うことができました。
船来山古墳群の価値としては
コンセプトについては、市民から応募したキャッチコピーをコンセプトとしました。
「先人の想い、知恵、技を体感できる 古代と未来のかけ橋船来山古墳群」
の5つの基本方針をもとに事業を進めていきます。
船来山古墳群保存活用基本構想(平成28年3月)概要版
表紙目次
船来山古墳群保存活用基本構想(平成28年3月)
東海地方最大級の古墳群です。7世紀までの約400年以上古墳が造られ続け、複数の首長やさまざまな出自を持つ有力家族層にとって造営された可能性のある古墳群です。
船来山古墳群分布図(赤い点がすべて古墳)
船来山古墳群は、本巣市の中心部にある船来山という山に3世紀から7世紀まで役400年以上も古墳が造られた古墳群です。現在までに発見された古墳は290基にものぼります。船来山は東西約2km南北約600mの細長い独立した山で標高115mから64mの小高い山ですが、山頂から山麓に至るまで古墳が造られています。
船来山古墳群の特徴として圧倒的な数を誇る大古墳群であるということのほかに、
船来山古墳群290基のうち237基は本巣市側の古墳です。このうち162基が発掘調査され豪華な副葬品が出土しました。
代表的な出土遺物は鏡・短甲・装飾大刀・鉄剣・馬具・銅鏃・鉄鏃・刀子・農工具・玉類・人骨・須恵器・土師器などです。
平成29年10月13日には出土品687点が岐阜県重要文化財に指定されました。
その他の出土品8,093点も市指定有形文化財に指定されています。本巣市富有柿の里古墳と柿の館1階に展示されています。ぜひ見に来てください。
岐阜県重要文化財赤彩古墳272号墳出土品(古墳と柿の館1階に常設展示)
272号墳復元石室(11月23日〜25日特別開館)
岐阜県重要文化財赤彩古墳19号墳出土雁木玉
後期群集墳からは赤彩古墳が3基出土し雁木玉2個や岐阜県内で最多となる23個のトンボ玉、ねじり環頭柄頭などが出土しました。
馬具や装飾大刀が出土した古墳は18基もありそれらのほとんどが6世紀代に集中しています。
前期古墳98号墳からは全国で17番目の発見となる方形板皮綴短甲が出土しました。
1967年(昭和42年)に出土した船来山24号墳からは鏡5面、大量の鉄剣・大刀・銅鏃・管玉などが出土しました(東京国立博物館蔵)。
岐阜県本巣市上保1-1-1(本巣市富有柿の里園内)
開館時間 午前9時から午後4時まで 月曜休館
電話 058-323-9333
お問い合わせ:本巣市教育委員会社会教育課(電話058-323-7764)
全国史跡整備市町村協議会東海地区協議会に加盟している市町を紹介します。
全国の史跡・名称、天然記念物および重要文化的景観の所在する市町村が加盟する団体で、平成29年3月現在で583市町村が加盟しています。史跡等の整備に関する調査研究、その具体的な方法の推進を図り、文化財の保存と活用をより一層進めていくことを目的としています。
史跡保全議員連盟や文化庁と連携を図り、文化財関係予算の獲得と文化財の保護・活用を推進する活動を行っています。
全史協では全国を10地区(北海道・東北・関東・北信越・東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄)に分けて地区協議会を組織しています。その一つである東海地区(山梨県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)の50市町が加盟しています。
主な活動は加盟市町村の相互交流を積極的に行い、史跡等の整備に役立つ情報の交換を行い、その情報をもとに各自治体の史跡等の整備に活かしています。
本巣市もこの協議会の目的に賛同し加盟しています。
TEL: 058-323-7764
FAX: 058-323-2964