令和8年 第1回市議会 所信表明 令和8年2月18日
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令和8年第1回本巣市議会定例会の開会にあたり、新年度予算をはじめ、提出議案のご審議をお願い申し上げるに先立ちまして、新年度における施策の大綱を申し述べさせていただき、議員各位並びに市民の皆様のなお一層のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
予算編成方針
はじめに、国の令和8年度予算編成および令和8年度地方財政対策に基づき編成いたしました新年度予算の概要につきまして、ご説明申し上げます。
現在、地方財政は、人口減少や少子高齢化が進み、生産年齢人口が年々減少する中で、社会保障関係費の増加はもとより、物価高騰による経費の増加に加え、公共インフラの老朽化対策や多発する災害に備えるための防災・減災対策経費、子ども・子育て政策の強化、デジタル化の推進など多岐にわたる財政需要が見込まれ、更には、仮に今後、消費税の減税が行われれば、地方財政に大きく影響するものと思われます。
そうした中、本市の財政状況を申し上げますと、合併以来、財政の健全化を維持していくため、行財政改革大綱に基づく計画的な財政運営を推進するとともに、毎年の予算編成にあたり、徹底した内部管理経費の削減など経常経費を一定額削減する取り組みや財政措置のある地方債の発行、安定した自主財源の確保などに努めてまいりました。その結果、財政の健全化判断比率は、国が示す基準以下となっており、現段階では、健全性は保たれている状況でございます。
しかしながら、今後の財政見通しでは、歳入につきましては、経済の緩やかな回復、賃上げに伴う所得水準の上昇などにより、市税を中心に回復傾向に向かうと見込まれてはいますが、連動する形で普通交付税は減少し、一般財源の大きな増額は見込めない状況と予測しています。今後も物価上昇が続けば、個人消費に及ぼす影響は明らかであり、さらに、人口減少を起因とした生産年齢人口のピークアウトにより大幅な市税の増収は見込めないことも踏まえると、安定した自主財源の確保は厳しい状況が続くと考えられます。
一方、歳出は、少子高齢化社会の進展に伴い、社会保障関係費である扶助費が構造的に増加し続けており、公共施設の統廃合やインフラの老朽化による更新、長寿命化の費用も多額にのぼります。さらに、物価高騰による物件費の押し上げや人件費の増加も重なることで、歳出総額は依然として増加傾向にあり、厳しい財政運営が見込まれます。
こうした中でも、財政の健全性と持続可能性を追求することは、市政の根幹をなす責務と考えております。これまでの行財政改革の成果を土台に、限られた財源を最大化させるためにも、今後はさらに一歩踏み込んだ「選択」と「集中」を進めてまいります。慣習を脱却し、時代のニーズに即した事業評価を繰り返すことで、最大の成果を求め、持続可能な財政運営を図ってまいりたいと考えております。
こうした本市の財政状況を踏まえながら、編成いたしました令和8年度一般会計当初予算の総額は、対前年度当初比で4.6%、9億4千万円減の193億1千万円となっております。
当初予算が減額となった主な要因は、「消防署整備事業」が約12億2千万円、「学校ICT機器整備事業」が約2億4千万円の減額となったことが大きく影響しておりますが、「防災行政無線の更新」や「ぬくもりの里の空調設備改修」、「真桑小学校屋外運動場の整備」などの新規事業に加え、義務的経費の増加もあることから、予算総額は、合併以降5番目の予算規模となっております。
物価高騰による経費の増加など多くの歳出要因があるなかでも、それぞれの事業目的やその効果を十分に検証し、市民目線での「選択」と「集中」を意識しながら、PDCAサイクルをしっかりと回し、事業継続の可否や手法の見直しに努めてまいりました。
新年度も「元気で笑顔あふれる本巣市づくり」を目指し、「景気・雇用対策」「教育・子育て支援」「移住・定住対策」「防災対策」など、関連経費を盛り込んでおります。職員とともに知恵を絞り、熱意と創意工夫をもって、新たな事業の創出や既存事業の拡充・強化に取り組み、よりきめ細やかな予算編成に努めたところであります。
基本政策への取り組み
それでは、令和8年度予算の主な施策につきまして、重点的に取り組む6つの基本政策に基づき、順次ご説明を申し上げます。
元気な里づくり
活力
まず、基本政策の一つ目は「活力」です。
活力あふれる元気な本巣市を築くためには、産業の創出や雇用の場の確保が欠かせません。昨年、東海環状自動車道の山県ICから本巣ICの区間が4月6日に、本巣ICから大野神戸ICの区間が8月30日にそれぞれ開通し、名神高速道路、中央自動車道、東海北陸自動車道と結ばれたことで、企業活動の活性化や物流の効率化、観光振興など、多方面にわたる効果が期待されています。実際に、開通前後の交通量は2.5倍に増加し、今もなお交通量は増加傾向にあると伺っております。そうした効果が期待され、市内では客室248室を誇るホテルやコンテナ型ビジネスホテルの建設が進められており、本巣市の潜在力がさらに強まっていると感じています。この高まった潜在力を最大限に引き出せるよう、戦略的な企業誘致を進め、産業の活性化と雇用の創出を推進してまいります。新年度におきましては、オーダーメイド型の企業用地造成事業として、完成した浅木地区の引き渡しと、北屋井地区の用地買収を進めることとしており、引き続き、新たな企業誘致に向けても積極的に取り組んでまいります。
さらに、現在、作業を進めております「都市計画マスタープラン」や「立地適正化計画」に加え、市役所やパーキングエリア周辺地域を市の中心的な拠点とする「セントラルゾーン」として位置づけ、産業誘致や商業施設の整備など、地域の力と企業のノウハウが遺憾なく発揮できる新たな賑わいが生まれる場所を目指して、調査・研究を進めていき、多様な都市機能の持続性を高め、将来にわたって活力のある地域づくりを進めてまいります。
景気・雇用対策につきましては、先月、補正予算において、「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を計上させていただき、市民1人あたり12,000円の「もとまる商品券」の配布や「もとまる商品券」をセットにした樽見鉄道企画列車に補助を行うことで、物価高騰に影響を受ける市民や事業者への支援を、迅速かつ的確に進めさせていただいたところでございます。新年度におきましても、主要な幹線道路や地域内の生活道路、防災・交通安全対策などの普通建設事業費に所要の予算を配分し、景気対策に努め、市内事業者への優先発注などを通じ、地域経済へ寄与できる予算を確保してまいります。
また、引き続き「雇用奨励金」や「事業者サポート補助金交付事業」などを通じ、市内事業者への支援や市民の雇用の場を確保してまいります。
農業対策につきましては、これまで圃場整備がされていなかった神海地区で土地改良事業による圃場整備を進め、担い手の確保と農地の保全に努めてまいります。さらに、新規就農者に対するきめ細やかな支援やスマート農業技術の導入支援、農地の集積・集約化など、引き続き、農業経営の安定化に向けた取組を進め、担い手不足や労働力不足の解消を図ってまいります。また、農業の生命線でもある用水施設などが、経年劣化により老朽化が進んでいることから、施設を改修し、農業生産基盤の強化と災害時の安全性向上にも努めてまいります。
林業振興につきましては、森林環境譲与税を活用し、計画策定や間伐などの森林整備、林業技術者の担い手支援などに取り組んでまいります。加えて、新たな取組として、森林の二酸化炭素吸収にかかるJ-クレジットの認証取得を進め、販売売上げを原資とした森林整備にもつなげてまいります。また、昨年、全国各地で熊による人身被害が発生しましたが、市内の生活圏での熊の出没に備えるため緊急銃猟対策に要する予算を確保し、市民の安全・安心な生活環境を守ってまいります。
観光振興につきましては、東海環状自動車道の開通効果により、観光誘客に大きな期待が寄せられています。特に、「本巣パーキングエリア」と「もとまるパーク」はハイウェイオアシスとして、単なる休憩施設にとどまらず、グルメや物販、イベントなどを通じて豊かな体験を提供しています。新年度は、この「もとまるパーク」を拠点に、多彩なイベントや広域観光事業を展開できるよう必要な経費を準備いたします。さまざまな団体や企業が、自ら企画・運営するイベントに対してサポートすることで、民間ノウハウの活用や型にはまらない柔軟な発想が期待でき、単に人を集めるだけでなく、「消費を生み出すイベント」へと転換していくことで、地域が潤うことができる観光を目指してまいりたいと考えております。
また、昨年、作家 宇野千代さんをモデルとした連続テレビ小説「ブラッサム」の制作発表がありました。本巣市にも、淡墨桜と深い関わりのある宇野千代さんに関する展示が楽しめる「さくら資料館」があります。新年度は資料館の施設改修を行うとともに、放送を通じて新たな観光交流につながるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
移住・定住対策につきましては、子育て世代を含め多くの方に、市内へ移住・定住をしていただくため、「もとす暮らし応援補助金」を継続して交付していくとともに、移住相談会への参加やSNSを活用したリアルな生活情報の発信にも努めてまいります。
さらに、ふるさと納税制度を活用して地場産品の開発や市内企業のPR、市内特産品の販売促進など、地域産業の振興にも努めてまいります。
現在、進めておりますクラウドファンディングを活用した地場産品の創出プロジェクトも、引き続き、推し進め、市内に新たな産業や雇用の創出につなげてまいります。
また、新たな取組として、市内に広がる広葉樹林の豊富な資源を活用した市産材製品の開発に支援してまいります。手間のかかる広葉樹の製材に助成し、木材の流通加工の流れを市内に作り出すことで、木材事業者の業務拡大につなげ、将来的にはふるさと納税返礼品への利活用を目指してまいります。
今後も「ふるさと納税」という枠組みを活用して、市内事業者の方々と市が連携を強化していくことで、魅力的な地場産品の充実につなげ、販売促進や市のPRなどに努めてまいります。
温もりのある里づくり
安心
次に、基本政策の二つ目は「安心」です。
まちの未来をつくるのはこどもたちであり、彼らはまさに「地域のかけがえのない存在」です。こども一人ひとりの個性を大切にしながら、地域全体がこどもや子育て世帯の状況を理解し合い、誰もが安心してこどもを産み育てられる環境づくりが求められています。そのためには、こどもや若者、子育て家庭のそれぞれの生活段階に合った支援を途切れることなく続けていくことが大切です。
こどもや若者を取り巻く環境は、社会の急速な進展により生活面や学習環境などさまざまなところで変化をもたらし、新たな課題も生じてきております。そうした中においても、すべてのこどもや若者が心豊かに育ち、保護者が喜びや生きがいを感じながら子育てができる、「子育てがしやすいまち」を目指してまいります。
一つ目はライフステージに応じた切れ目ない施策の推進です。
家庭の事情で行動が制約されるこどもたちが遊びや体験を通じ成長できるよう、留守家庭教室や延長保育、預かり保育など集まれる場所を引き続き確保してまいります。年々、利用が増加傾向にある中でも、十分に受け入れていけるよう体制の充実も図ってまいります。
また、こどもの貧困対策では、若年層の将来の不安を解消するため、引き続き、「本巣市奨学金返還支援制度」の普及を進め、若年層の経済的支援や市内への定住促進、労働力確保につなげてまいります。
さらに、児童虐待防止の支援では、「子育て世帯訪問支援事業」に取り組み、訪問支援員が不安を抱える子育て家庭や妊産婦、ヤングケアラー等がいる家庭を訪問し、不安や悩みに丁寧に耳を傾けながら家事や育児に対する支援を行うことで、家庭や養育環境を整え、虐待リスクの高まりなどを未然に防ぐよう努めてまいります。
次に、二つ目はライフステージ別の施策の推進です。
こどもの誕生前から幼児期までは、健やかな人生の出発点となる重要な段階です。妊娠期から出産・子育て期まで一貫して、助産師や保健師等が妊婦や子育て家庭に寄り添う伴走型の相談支援の充実を図ってまいります。その他にも、仕事と育児の両立に向けた支援や地域の人々とのつながりづくりを促進し、子育て家庭が抱える育児への不安を解消してまいります。
また、新年度は新たな取組として、「一時預かり事業」をスタートします。この事業は、保育所などを利用していない家庭で、一時的に保育が必要になった場合に利用できるもので、満1歳から小学校就学前までの児童が対象です。昨年から始めました「こども誰でも通園制度」は、家庭とは異なる経験や子ども同士のふれあいを通して、子どもの健やかな成長を支援することを目的としているのに対し、「一時預かり事業」は、保護者が安心して子どもを預けられる環境を整えることで、育児負担の軽減や就労などを希望する保護者への支援につながるものです。この二つの事業を推進することで、子育てに 悩みや不安を抱えている保護者に寄り添いながら、市内の子育て環境のさらなる充実を図ってまいります。
最後に、三つ目は子育て当事者への支援です。
本市では、これまでも親の働き方やライフスタイル、こどもの年齢に左右されることなく、すべての子育て世帯が「本巣市で育てて良かった」と実感できるよう、経済的な負担軽減や支援に努めてまいりました。これからも、市の宝である子どもたちと保護者に寄り添い、温かく子どもを育てられるよう、きめ細やかな支援を行ってまいります。
その支援策の一つとして、新年度からは、本巣市独自の取組として、第1子、第2子、第3子以降と、途切れることなく出産祝金を支給してまいります。すべての赤ちゃんの誕生を祝福し、経済的な不安を解消してまいります。その他にも、保育料の軽減や多子世帯への給食費助成、18歳までの医療費無償化など、切れ目のない負担軽減策を着実に実施してまいります。さらに、新年度の新たな取組として、小学校、中学校、高校の入学など、3つの新しいステージを応援するために「就学等支援金」を支給します。子どもの新たな門出を祝い、家計への負担を軽減するため、「トリプル・エール支援」へとパワーアップさせ、「子育てするなら、やっぱり本巣市」と言っていただけるような、手厚い支援を行ってまいります。
加えて、他市にはない圧倒的なこだわりを持っているのが学校給食です。本巣市の学校給食は、地産地消の徹底と教育的な質の高さにおいて、全国的にも高く評価されております。
市内産の食材をふんだんに使用した「もとまる給食」では、他市では類を見ないほどの多種多様な地元食材を取り入れ、ジビエ肉や鮎、イワナなど学校給食ではあまり見られない食材もメニューに上がります。これは、栄養教諭や給食アドバイザー、調理員が、子ども達が「おいしい」と言って食べてくれる、そんな笑顔を思い描きながら、日々、努力しているからこそ、実現できています。
学校給食は子ども達が主役です。単に食べるだけでなく、「生きた教材」として、子どもたちに直結した取組を追求していきます。物価高騰による食材費の値上がりや、国が進める給食費無償化による影響も懸念される中、給食センターの合い言葉でもある「学校給食に妥協はない」の信念の下、これからも子どもたちに愛される給食を提供し続けてまいります。
こうした取組を包括的に展開することで、安心して地域でこどもを育てられる「子育てがしやすいまち」を実現してまいります。
福祉
次に、基本政策の三つ目は「福祉」です。
高齢者対策につきましては、フレイル予防で重要とされる「社会活動への参加」につきまして、これまでの事業を大幅に見直しました。
まずは、「高齢者外出支援事業」です。現在の高齢者タクシー利用助成制度を見直し、タクシー券に加え、交通系ICカードチャージ代も助成対象に拡充します。これにより、バスや電車などの公共交通機関の利用が容易となり、社会生活の範囲が広がることを目指します。また、スマートフォンにチャージする場合には、操作が脳を活性化させ、認知機能の維持にもつながることが期待されます。
次に、「シニア元気いきいき事業」です。ぬくい温泉の利用を通じて、外出支援と交流の場を提供するため、これまで入浴券と食事券をセットにして配布しておりましたが、新年度からは入浴券単独の支給とし、利用回数を増やすことで、これまで以上の外出機会の拡大を図ってまいります。
その他にも、既存事業の見直しや「eスポーツ教室」、「ふれあいサロン」などの取組を通じて、高齢者が安心して日常生活を送り、交流や健康維持を楽しみ、いつまでも笑顔でいられる地域づくりを進めてまいります。
障がい者対策につきましては、障がいのある児童が成長段階や家庭のニーズに応じて必要な支援が受けられるよう、放課後等デイサービスの利用可能日数を拡充し、児童の発達支援や家族の負担軽減につなげてまいります。
また、新たな取組として「多言語通訳システム」を導入し、窓口業務のデジタル化を進めてまいります。外国籍の方や言葉の壁がある方もスムーズに相談できる環境が整うほか、手話通訳機能も備えているため、聴覚に障がいのある方にも安心して利用できる窓口サービスの充実を図ってまいります。
さらに、庁舎には「福祉総合相談室」を設置しております。各分野の専門知識を持つ職員が、世代や属性を問わず幅広い相談に対応できる包括的な体制を整えております。今後も、社会福祉協議会など関係する機関と連携を密に、複雑化・複合化する生活課題に寄り添い、家庭全体の支援へとつなげてまいります。
安全
次に、基本政策の四つ目は「安全」です。
まず、防災対策については、昨年も、全国各地でさまざまな災害が発生いたしました。令和7年1月には日向灘を震源とする震度5弱の地震が発生し、気象庁から「南海トラフ地震 臨時情報(調査中)」が発表されました。それ以降も、震度5クラスの地震が各地で発生しております。また、2月には岩手県大船渡市で大規模な林野火災が発生し、鎮火まで1か月以上を要しました。約3,370ヘクタールが延焼するなど大きな被害が出ており、現在も、復旧・再建に向けた支援が続けられています。
本市も、面積の86%が森林です。ひとたび林野火災が発生すれば、甚大な被害や2次被害のリスクが生じる可能性があります。また、南海トラフ地震では本巣市は震度6弱の揺れが予測されており、緩い地盤のほとんどで液状化の可能性が指摘されています。さらに、台風や線状降水帯による局地的な豪雨被害、大雪被害、土砂災害など、本市にはさまざまなリスクがあります。こうした状況を踏まえ、改訂する、「国土強靱化地域計画」に基づき、いかなる自然災害が発生しても機能不全に陥らず、災害に強い本巣市を構築してまいります。
その一つが、4月から運用が開始される新しい「本巣消防署」です。地域防災の拠点として市内に移転することで、最新の設備が整備され、現場到着時間の短縮などにより、迅速かつ的確な対応が可能となります。引き続き、広域消防の強みを生かして、市民の安全・安心を守ってまいります。
また、防災行政無線設備の屋外拡声子局や消防団に配備しております「小型動力ポンプ積載車」などを更新し、機能の向上と安定した運用を図ることで、市民の安全確保に努めてまいります。
その他にも、災害に備え、自治会の「地区防災計画」の策定支援や防災士の養成を進めてまいります。現在、市民で組織する「本巣市防災士会」の設立に向けた準備が進められております。市内の防災士が集結して連携することで、地域ぐるみの協力体制が整い、災害発生時の迅速かつ効果的な対応や平時からの防災意識の向上など、地域の防災力強化がより一層、図られることとなります。
また、避難所対策では、指定緊急時避難場所でもある自治会集会所の老朽化に伴う建て替えや改修、設備に補助することで、自治会活動に加え、災害時における避難施設の充実も図ってまいります。
防犯対策につきましては、増加する空き巣や侵入窃盗の犯行を未然に防ぐために、自治会への防犯カメラ設置支援や防犯灯の設置を進めるとともに、引き続き、登下校時の見守り隊などの取組を進め、警察や学校、関係機関と連携を密にした、犯罪のない安全で安心なまちづくりを推進してまいります。
交通安全対策につきましては、交通安全大会や交通安全教室などを通し、交通事故防止に向けた普及啓発活動を行うとともに、新年度も引き続き通学路に交通安全対策を実施してまいります。
うるおいのある快適な里づくり
快適
次に、基本政策の五つ目は「快適」です。
まず、道路整備につきましては、先程も申し上げましたとおり、昨年、東海環状自動車道の本巣ICが開通し、これにより地域の交通アクセスは飛躍的に向上し、交通量も増加傾向が続いております。
道路整備がもたらす効果は、アクセス性の向上のみならず、物流コストの低減による「ストック効果」をもたらします。時間短縮、物流の円滑化、企業立地、雇用創出、観光振興など直接的な便益と多岐にわたる経済波及効果が生まれ、長期間にわたり地域経済を活性化させます。こうした効果で地域が元気になるためにも、先を見越し、企業立地に必要となる幹線道路やアクセス道路など、本市の景気対策にも資する道路整備を県など関係機関とも協力しながら、引き続き進めてまいります。
一方で、開通に伴い市内の交通量は増加傾向にあると思われます。集落間を繋ぐ道路や通学路など市民生活に密着した道路については、地域や関係機関と連携しながら、子どもから高齢者まで誰もが安全で、安心して通行できる、快適な道路整備を進めてまいります。
また、都市公園「もとまるパーク」につきましては、東海環状自動車道の開通後、利用者が倍増し、週末には昨年、整備した駐車場も満杯になるほど、市民や来園者の憩いの場として非常に多くのこどもたち、家族連れの方々に楽しんでいただいております。こうした東海環状自動車道の整備効果をさらに高めていくため、「もとまるパーク」の指定管理者と連携を密に、民間事業者のノウハウをしっかりと発揮していただき、きめ細やかな質の高いサービスを提供することで、集客効果を地域へ波及させていきたいと考えております。
公共交通につきましては、「地域公共交通計画」の策定を通じて明らかとなった課題に対し、利用者目線にたって、運行形態の見直しや利用者の増加に向けた取組を進めてまいります。また、地域の実情に応じた新たな運行形態の展開に向けて、公共ライドシェアやAIオンデマンド交通の導入も検討してまいります。
さらに、新たな取組として、今年度導入した、平時・有事の両面で活用可能な車両「マルモビ」を、平時での活用として根尾地域の外出支援に試行的に運用いたします。根尾地域から本巣地域へと往復バスを運行し、歯科診療や買い物など、高齢者や移動制約者の日常の移動手段の確保に努めてまいります。
環境対策につきましては、市民の皆様が日常生活で3Rに取り組んでくださっており、ごみの減量化や資源の有効活用につながっております。市内には3つのストックヤードがありますが、そのうち真正ストックヤードは、人口密度の高い地域にあるため、開放日には周辺道路の渋滞が問題となっております。そのため、渋滞の一因である駐車場不足を解消するために、ご寄附いただいた真正ストックヤード東側の土地を駐車場として整備してまいります。さらに、渋滞のもう一つの原因として、周辺道路の幅員不足や迂回路が無いことが挙げられることから、新たに道路改良を進め、渋滞緩和につなげてまいります。加えて、真正ストックヤードの施設の長寿命化を図るために膜体の張替工事も行ってまいります。
育成
次に、基本政策の六つ目は「育成」です。
まず、「こどもの権利条例」については、令和7年4月1日に条例を制定し、子どもたちの手で「自分の学校は自分がつくる−自分を認めてもらう権利−」と位置づけ、歩み出しました。今年度は、この「自分の学校は自分がつくる」という当事者意識をもって行動することを目的に、各学校での取組や代表者が対話する「こども会議」の場で、やってみたいこと、挑戦したいことを話し合い、実践につなげています。新年度も引き続き、監修者である木村泰子先生のお力もお借りしながら、対話を通して学び、自分たちで自己決定していく、子どもたち自らが主体者となって幸せな人生を切り拓く力を育成してまいります。
次に、教育環境の整備につきましては、真桑小学校の屋外運動場を改修いたします。老朽化により、グラウンドの凹凸や水はけが悪くなり、児童の転倒など怪我の原因となっていることから、グランド舗装などを行い、安全性を向上させ、安全・安心な学習環境を確保してまいります。
また、糸貫西幼児園の室内の蛍光灯をLED照明に更新いたします。室内環境の改善により、子どもたちの健康、環境面への配慮につながるほか、電気代、メンテナンス費用の削減にもつながります。
加えて、小学校の教室に大型液晶ディスプレイを配備し、学校のICT環境の充実も図ってまいります。
さらに、増え続ける不登校児童生徒に対して適切な支援が行えるよう、引き続き、教育センター所長や子ども支援対策監を中心とした相談・支援体制の充実を図ってまいります。
昨年6月には新たな支援として、給食センター内に「もとまる食堂」をオープンさせました。これまでに延べ273人の子どもと保護者がご利用いただき、少しでも学校とつながり、穏やかな時間を過ごしていただいております。給食は子どもたちの楽しみの一つであり、心を満たす大きな力があります。子どもたちをそっと後押しし、人や社会とつながれるよう、「もとまる食堂」や「本巣の学び舎」「適応指導教室たんぽぽ」など、学校に通えない子どもの居場所を大切に支えてまいります。
次に、次世代の防災リーダーの養成についてです。
現在、「ホープ防災リーダーズ」には、中学生、高校生の141人が所属しております。今年度も、防災訓練や「もとフェす」での活動、ガラン谷砂防堰堤の見学、北方警察署とのコラボ企画などさまざまな活動を行いました。また、新たに小学5,6年生を対象に「キッズ防災リーダー」も養成し、その講師をホープ防災リーダーズが務めるなど、年々、活動の幅を広げています。新年度におきましても、ジュニア防災リーダー養成講座などを実施し、「守られる人」から「守る人」をスローガンに、学校や地域での防災啓発活動に取り組む、行動力の高い子どもを育成してまいります。
また、「ホープ防災リーダーズ」の学びの場として、東北研修も引き続き、実施してまいります。
ウオーキング・ランニングのまちづくりにつきましては、回を重ねるごとに参加者の輪が広がっております。アドバイザーの金哲彦氏の専門的な知見と経験に基づき、創意工夫を重ねた魅力的で実践的なプログラムを提供し、いつでもどこでも気軽に始められる運動として、市民の健康の保持・増進を図ってまいります。
加えて、新年度は根尾川サイクリングロードの延伸にも着手します。現在のロード区間2.6キロから南側へ約1.3キロ延伸し、より多くの市民が安全かつ快適にサイクリングやウオーキングなどを楽しめる環境を整備してまいります。
歴史、文化の保存につきまして、国の特別天然記念物である「根尾谷断層」を活用した学習施設「地震断層観察館」について、現在、地震体験館の設備が老朽化により中止を余儀なくしている状況です。そのため、新年度に体験館の起震装置を改修し、来館者への体験価値の向上を図ってまいります。
また、新年度には糸貫公民館を「ぬくもりの里」に移転させます。これにより公民館事業や糸貫図書室の利用など、今まで以上に「ぬくもりの里」の利用者が増えることが予想されます。「ぬくもりの里」は建設から25年が経過し、空調設備が老朽化していることから、大規模な改修工事を実施します。これにより、公民館施設の充実や快適な利用が可能となることで、市民の利便性の向上と生涯学習のさらなる振興を図ってまいります。
まとめ
最後に、DXの推進について申し上げます。
行政のDX推進は、市民の利便性の向上だけでなく、職員の業務効率化により事務管理コストを抑え、効率的な行政サービスの提供につながります。今年度は、若手職員を中心にデジタル人材育成研修を実施し、さまざまな企画提案がありました。その中の一つが「多言語通訳システム」の導入です。これ以外にも、「議会だより」などのAI活用や会計年度任用職員の給与処理の自動化など、低予算で新年度から導入していく提案もあります。
その他にも、新年度は全庁的な生成AIの導入や支払通知の電子化などにも取り組んでまいります。
今後も、行政のデジタル化を進めるため、前例にとらわれることなく、こうした新しい取り組みにチャレンジして、次世代の市役所へとアップデートし続けてまいります。
以上、市政運営に対する、私の所信の一端と令和8年度予算案などの概要につきまして、申し上げさせていただきました。
東海環状自動車道の本巣ICが開通し、私が思い描くまちづくりも、一歩前に前進しました。
しかし、この開通効果を地域に還元できなければ、何の意味もありません。開通に沸き、そのことに満足してしまっては、本巣市の明るい未来は訪れません。
いまあるチャンスを活力に変え、本巣市を元気にし、そこで得たパワーを市民の笑顔に変えていく。そのためにも、職員とともに、持てる知恵のすべてを注ぎ込み、立ち止まることなく、前に進めてまいります。
市民の皆様に、「住み続けて良かった」、「本巣市に住んで良かった」と実感してもらえるまちへと発展し続けられるよう、厳しい財政状況での市政運営ではございますが、市民の皆様や企業の皆様にも協力を得ながら、取り組んでまいりたいと考えております。
結びに、議員の皆様をはじめ、市民の皆様の一層のご理解とご支援を心からお願い申し上げ、所信表明といたします。
