平成23年第1回市議会定例会が開会し、新年度予算を始め、各般にわたる議案のご審議をいただくにあたりまして、新年度市政運営の所信の一端を述べさせていただき、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
私の市政運営につきましては、就任以来、3年が過ぎようとしております。この間、対話重視と現場主義を基本姿勢に、「元気で笑顔あふれる本巣市づくり」に全力を傾注して参りました。議員各位をはじめ市民の皆様の温かいご支援とご協力を賜り、市政運営が順調に進展しておりますことに、改めて感謝申し上げる次第でございます。
まず、市政を取り巻く情勢につきまして、ご報告申し上げます。
国おきましては、地域主権改革を進めるため、地域主権推進一括法や地方税制の改正、補助金の一括交付金化や高齢者医療制度改革など具体化に向けての取り組みが進行しております。
こうした地域主権改革による権限委譲、財源確保の先行きには、不十分さと不透明感がありますが、地域のことは地域が決める、地域自らの判断と責任で地域の課題に取り組むという流れは、今後とも一層大きくなっていき、地方自治体はこれまで以上の自立が求められて参ります。
一方、地域主権を確かなものにしていくために必要となる財源は、地方交付税の一定の増額があるものの、世界的な経済危機を引き起こしたリーマンショック以降、急激な円高やデフレにより、地域経済や雇用情勢はますます悪化し、我が国の経済は、回復傾向にあると報道されておりますが、私ども地方は未だその実感はなく、地方税の大幅な減少が続き、少子高齢化の進行で福祉・教育などの義務的経費が増大するなど、地方自治体の財政は、ますます硬直化し、大変厳しい状況でございます。今後も、経済の低成長や円高等による、先行き不透明な経済状況、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の増加など、厳しい財政運営が強いられる状況でございます。
しかしながら、こうした厳しい財政状況の中でも、私どもは、知恵を出し、工夫を重ねて、地域の自立と地域の活性化に取り組んでいかなければならないと考えております。今後とも、多様化する市民の皆様のニーズに応え、市民サービスの向上を図るため、効率的かつ投資効果の高い行財政運営に努めて参りたいと考えております。
それでは、新年度予算の取り組み方針につきまして、ご説明申し上げます。
平成23年度は、本巣市総合計画後期基本計画並びに本巣市行財政改革大綱・実施計画のスタートの年であり、計画に基づく「まちづくり」へ踏み出す年でございます。新年度予算は、こうした総合計画、行財政改革大綱も踏まえ、取り組んできたところでございます。
初めに、本市の財政状況を申し上げますと、合併以降、市の行財政改革大綱に基づき、積極的な行財政改革を進めて参りました、その結果、国が示す健全化判断比率の基準も下回り、現在では財政の健全化は保たれている状況でございます。しかし、今後の収入見込みは、合併から 15年後の平成31年度には、普通交付税が一本算定となり大幅な減収となることや固定資産税、市民税等の市税の減収などにより、市の自由財源である一般財源は、約15億円が減額となる見込みでございます。一方、歳出は、ますます進行する少子高齢化により、社会保障関係経費の大幅な増加をはじめ、公債費及び施設の維持管理費の増加が見込まれております。
このため、今後とも、健全財政を維持していくためには、今年度策定いたします行財政改革大綱に基づき、更なる行財政改革を進め、5年後、10年後の収入に見合った財政構造にしていかなければならないと考えております。
新年度予算におきましては、こうした本市の厳しい財政状況も踏まえながら、当面の大きな課題である景気・雇用対策をはじめ、小中学校の整備や保育園等の整備を行うため、普通建設事業費をはじめとする投資的経費が増加し、平成23年度の一般会計予算の総額は、146億円と前年度予算に対しまして、8.8%増の予算となっております。
新年度予算の重点施策といたしましては、市政推進の基本としております「元気で笑顔あふれる本巣市づくり」に向け、「景気・雇用対策」、「企業など産業活動支援」、「子育て支援」、「教育環境の整備」を一層推進するとともに、新たに、「高齢者対策」、「環境対策」、「協働の推進」、「観光対策」、「過疎対策」、「危機管理対策」、「健康対策」の7項目の施策の点検・見直しを行い、新たな施策や拡充強化の予算を計上し、よりきめ細やかな予算編成に努めたところでございます。
それでは、当初予算の主な施策につきまして、「元気で笑顔あふれる本巣市づくり」を実現するための3つの基本方針の体系に基づきご説明を申し上げます。
はじめに、「元気な里づくり」についてでございます。
農林産物のブランド化や担い手の育成など農林業の振興や企業誘致などによる産業の振興、観光交流産業の育成などにより、活力と賑わいのあるまちづくりを進めるとともに、NPOやボランティア 団体、市民や企業との連携・協働によるまちづくりを進め、「元気な里づくり」を進めるものでございます。
まず、企業などへの産業活動支援につきましては、農産物や食品などの本巣市ブランド認証制度の創設や旬の味産地マップの作成、地産地消料理教室の開催など、特産品のPRや地産地消を推進するほか、個人・団体が行う特産品開発に係る費用に助成し、新商品開発を支援して参ります。
また、集落営農法人化支援事業補助金による農業の集約化や農業用排水路の整備、柿選果機導入に対する補助、森プロ・チャレンジ事業及び林業の集約化事業による作業道の整備や間伐事業などを促進し、農林業の振興を図って参ります。更に、市内中小企業が技術力や経営力を強化するために実施する人材育成事業への助成や商工会事業への支援、中小企業への小口融資事業などにより、商工事業者の経営の安定を図るとともに、屋井工業団地への企業誘致を積極的に推進し、工業の振興と雇用の場の確保に努めて参ります。
次に、景気・雇用対策につきましては、道路新設改良や排水路の整備に加え、小中学校の増築や大規模改修、保育園・幼児園の整備など大幅な普通建設事業費を予算計上し、景気対策予算の重点配分に努めたほか、失業等による貧困・困窮者に対する就業機会の確保を図るための住宅確保・就労支援員の設置や緊急雇用対策事業として、非常勤教育講師や図書司書の雇用をはじめ、17事業を実施するなど、大幅に事業を拡大し、新規雇用の創出を図って参ります。
観光対策につきましては、有識者の意見をお聞きしながら淡墨桜の保存・保護やシーズン中の夜間照明など一体的な淡墨公園の整備や濃尾地震120周年記念事業として、地震断層観察館での特別展示を行うほか、文殊の森をはじめとする観光施設の整備を進めるとともに、新たな観光資源を発掘するための調査を実施するなど、積極的に観光客の誘致を図って参ります。
また、国道157号沿いの森林美化修景事業を今年度に引き続いて実施するほか、淡墨公園周辺の林道沿いで子どもの出生記念となる「記念木植樹事業」を実施するとともに、まちの良好な景観を計画的かつ主体的に進めるため、景観法に基づく「景観行政団体」の認定を受けるなど、地域のイメージアップを図って参ります。
過疎対策につきましては、市北部地域への移住・定住を促進するため、空き家現地調査を実施するほか、民家に宿泊し田舎暮らしを体験していただく「淡墨の里体験ツアー事業」を実施して参ります。
また、複式学級に対応するため教員を派遣し、学び易い教育環境の充実を図るとともに、モンキードッグ訓練事業や有害防止柵への補助、有害鳥獣捕獲の担い手の育成のため狩猟免許取得費用への助成、根尾診療所医師による健康相談の開設など、住みやすい環境づくりに努めて参ります。
協働の推進につきましては、自治会をはじめ市民の皆様が主体的にまちづくりに参加していただくため、新たに公園や道路などを地域で管理していただくための支援を行うほか、地域支援コーディネーターやボランティア人材バンクの設置などによる「地域コミュニティ支援事業」や市民と行政が協働するための「まちづくりパートナー制度」、ボランティア活動を促進するための「ボランティア活動市民表彰制度」を創設して参ります。
また、NPOや自治会など市民の自主的な活動につきまして、積極的に支援を行っていくほか、新年度におきましても「本巣市まちづくり楽校」を開催し、地域づくりを担う人材育成に努めて参ります。
次に、ぬくもりのある里づくりについてでございます。
地域の中で安心して子育てができ、高齢者が生きがいを持って元気に暮らせる健康づくりを進めるとともに、地域が一体となって、誰もが安全で安心して生活ができる「温もりのある里づくり」を進めるものでございます。
子育て支援につきましては、懸案でありました保育園・幼児園の整備につきまして、本巣保育園と本巣西保育園の統合に向けて、用地の取得や実施設計、造成工事に着手するほか、糸貫西幼児園につきましては、子どもセンターの解体、調査設計等を進めるとともに、糸貫東幼児園につきましても、用地の取得、一部造成工事に着手する予定でございます。
また、糸貫地域の留守家庭教室につきましては、席田小学校区で4月から開設するほか、一色及び土貴野小学校区につきましては、9月の開設に向けて小学校にそれぞれ留守家庭教室を新設して参ります。
更に、ソフト事業といたしましては、新たに認定こども園へ入所する第三子以降の児童に対する助成や病児・病後児保育施設利用に対して、引き続き助成して参ります。また、子宮頸がんや乳がん検診の公費助成や定期予防接種に加えて、5歳児未満の髄膜炎を予防するためのヒブ・ワクチン予防接種や小児用肺炎球菌ワクチンなどの法定外予防接種事業に要する費用に対しても引き続き助成し、子育て環境の充実に努めて参ります。
健康対策につきましては、新たに40歳から60歳までの5歳刻みの働く世代の方に、大腸がん検診キットを直接お送りし、がん検診の受診率の向上を図るほか、ジェネリック医薬品希望カードを被保険者に配布し、ジェネリック医薬品の普及を図り、医療費の抑制に努めるとともに、引き続き、特定健診や特定保健指導などの充実を図り、疾病の予防及び早期発見、早期治療に努めて参ります。
高齢者対策につきましては、福祉協力員を設置し、社会福祉協議会と連携しながら、高齢者の安否問題など地域での様々な問題を支援するための「地域見守り活動事業」を実施し、2重、3重のセーフガードを構築して参ります。
また、在宅のねたきり老人等の介護者に助成する「ねたきり老人等介護慰労金支給事業」や「紙おむつ購入費助成事業」などにつきましても、引き続き実施するとともに、新年度におきましては、「地域福祉計画」をはじめ「老人保健福祉計画」、「障害福祉計画」を策定し、NPOやボランティア団体などとも連携しながら、安心して安定した生活を送ることができる地域づくりを進めて参ります。
危機管理対策につきましては、国の土砂災害警戒区域の見直しに伴う防災ハザードマップの作成や濃尾地震の120周年を記念した地震防災講演会の開催などにより、市民への防災に対する啓発を行うとともに、携帯電話を活用した災害情報エリアメール配信事業や消防施設の整備など災害発生時等における危機管理体制の充実を図って参ります。
また、市民の生命・財産・暮らしを守るため、独居の高齢者住宅、約100世帯を対象として、家具転倒防止金具及び住宅用火災警報器を設置するほか、災害時に自力で避難することが困難な高齢者などの要援護者台帳登録促進事業を実施し、安全で安心できる地域環境づくりに努めて参ります。
次に、うるおいのある快適な里づくりでございます。
森林や河川などの豊かな自然環境を守り、道路網の整備や上下水道などの生活環境基盤の整備を図るとともに、公共交通機関の充実、教育環境の整備など「うるおいのある快適な里づくり」を進めるものでございます。
環境対策につきましては、循環型社会のための新エネルギー導入のモデル事業として、本市の豊富な水資源を活用した発電施設を淡墨公園内に設置する「小水力発電事業」や空き缶回収機及び古紙回収ボックスを設備した「リサイクルステーションの整備」、本庁舎の誘導灯のLED化や公用車の環境対策車への更新などを実施するほか、広報紙やケーブルテレビの市行政情報番組による広報活動を行い、地球温暖化対策に努めて参ります。
また、生活環境の充実とアメニティの向上のため、新たに市民の葬祭費用負担の軽減を図るための「葬祭料助成金支給事業」を実施して参ります。
更に、集落間を繋ぐ道路や通学路などの市民生活に密着した道路の整備や市の幹線道路である西部連絡道路の歩道整備を継続して進めるとともに、沿線市町との連携による樽見鉄道の支援やもとバス、ササユリ、根尾地域自主運行バスの再編を図り、今後もより利便性の高い公共交通手段の確保に努めて参ります。
上下水道の整備につきましては、本巣・文殊簡易水道を統合して「本巣上水道」として整備するほか、新年度から老朽した配水管の更新を計画的に進めていくとともに、下水道整備計画につきましては、公共下水道事業や農業集落排水事業、合併処理浄化槽設置事業の3つのシステムにより整備していくため、高度処理型の合併処理浄化槽設置に対する補助限度額の拡大を図り、地域特性などを考慮した計画的な下水道整備を進めて参ります。
教育環境の整備につきましては、小中学校の耐震化工事や各教室内の扇風機の設置が今年度に完了いたしましたが、新年度におきましては、真桑小学校の増築、糸貫中学校の大規模改修をはじめ、小中学校の改修や通学路のカラー舗装化を進め、教育環境の向上に努めて参ります。
また、市民スポーツプラザの改修や国体推進室の設置など、平成24年に開催される「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」に向けて準備を進めていくほか、真正多目的広場の整備、糸貫体育センターの改修などのスポーツ施設の整備により、誰もが手軽にスポーツを楽しめる環境づくりを進めて参ります。
更に、埋蔵文化財の調査や淡墨桜をはじめとする文化財の保存・保護や真桑文楽、能郷の能狂言などの保存会への支援を行い、個性と魅力ある地域づくりを進めて参ります。
以上、平成23年度を迎えるにあたりまして、所信の一端を申し上げましたが、初めに申し上げました様に、少子高齢化の進行や地方分権の進展、経済の低成長、更に地域社会での人間関係の希薄化など、地方自治体を取り巻く社会環境は、大きな変革期にあり、年々厳しくなって参ります。
市民の皆様が、住んでよかったと感じていただけるまちづくりを進めるためには、行政だけでなく、地域住民、企業などにも参加をいただき、市民・企業・行政の「参加と協働」による地域づくりが不可欠でございます。
今後も、より効率的で効果的な行財政運営に努め、市民総参加で「元気で笑顔あふれる本巣市づくり」に取り組んで参る所存でございます。議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ、所信表明とさせていただきます。